グリーン建築の家」とは、自然乾燥された構造材を使用し、塗料や壁材なども厳しい基準をクリアしたもの(次項の「認定基準参照」)のみを使用した、環境にも体にも優しい家です。
一般建築で主に使用されている「人工乾燥材(強制乾燥材)」は、乾燥時間が短縮でき、短時間で強度を上げられ、反りや割れなどがなくなり加工しやすい木材となりますが、樹脂まで染み出してしまいパサパサになります。そのため木の弾力性や艶はなくなり、強度も減ってしまい、木材の行う呼吸(調湿効果)も下がります。また、人工乾燥材は年月の経過により内側の割れが発生し、強度に問題が生じるため短命の住宅となってしまいます。
(木材を高温で乾燥させると外側から乾燥していきますが、内部は外側と比べるとあまり乾燥せず、その差によって外側の材が内側を引っ張るため)
グリーン建築の家では必ず自然乾燥材を使用します。年月の経過により施工後も木材が乾燥するため、外側の割れは発生しますが強度には影響しないため長寿命の住宅を建てる事ができるのです。法隆寺などに代表される日本の伝統建築が、自然乾燥材がいかに長命かを実証しています。
認定基準
■新築の場合
必ずクリアしなければならない項目
【構造材】
国産の自然乾燥材を構造部分に立米計算で60%以上使用
(古材を使用した場合は古材は実立米の3倍で計算)
認定材木店にて申請が必要だが、平成26年3月31日までに納材されたものは認定材木店以外からの納材でも可能な緩和処置を行なっている。
【屋根・外装】
長期耐用可能な資材もしくはリサイクル可能な資材を使用
(例)
屋根:粘土瓦やガルバ鋼板などの金属。セメント系の瓦やコロニアル瓦は不可。
外壁:板張りやモルタル下地に漆喰などの塗り壁、レンガやタイルなど。サイディングはセメント系金属系共不可。(但し金属で内部に充填物の無いもの、ガルバ鋼板など再利用が比較的簡単なものは使用可能)
【内部仕上材】
壁面積の25%以上に自然素材の仕上材を使用。
参考:グリーン建築推奨仕上材
推奨基準 (必須ではないができるだけクリアして頂きたい基準)
天井:木材や、漆喰、珪藻土などの塗り壁を推奨。クロスでも可能。
床:無垢フローリングやタイルを推奨。洗面所やトイレなどはクッションフロアーなどでも可能。
■リフォームの場合
増築がある場合には構造材や外壁、屋根は新築の基準に準じ、増築部分は50年後の構造材買取証明書を付ける事が出来ます。リフォームの際の内部仕上材基準は、新築の基準に準じます。
(壁面積の25%以上に自然素材の仕上材を使用。参考:グリーン建築推奨仕上材)
スタンダードサービス
グリーン建築の家には、標準で下記のサービスが付加されています。
- 50年後買取証明書の発行
50年以上経過後に残念ながら解体となった際、使用されている大黒柱、横架材が買取り可能であることを証明させていただきます。
買取り証明書は一般社団法人住まい教育推進協会より発行となります。 - 和歌山県伊太祁曽神社にてお清めを実施使用される木材はすべて、「木の神様」を祀る和歌山県伊太祁曽神社にてお清めを実施させていただきます。
長年住んでいただく根本となる木材を清めていただきます。 - 古材には安心を!そして伝統資財(古材)保証書を発行
古材にはPL法に基づく保証がつきます。製造物責任法(PL法)に伴う10年間の安心がついております。長年住宅を守り続けた古材を活用して施工する場合、万が一古材が原因で不慮の事故が発生した場合を想定し、保証書を発行させていただきます。
グリーン建築の家 認定方法
「グリーン建築の家」は書類での審査だけでなく、必ず1軒1軒 認定員が現地に赴き検査をおこなうことで高い品質と、信頼を得ています。
「グリーン建築の家」の認定は慎重に行わなければなりません。その責を負うのが全国各地の「グリーン建築の家 認定員」です。
伝統資財施工士の資格を有する者の中で、認定員講習・試験に合格し、当協議会が承認を行った者が認定員として活動できます。
グリーン建築の家は安い?高い?
グリーン建築の家は、乾燥に手間のかかる自然乾燥材や、外国産に比べて高価な国産材を使用するため、現在主流のものに比べると金額は高いです。
しかし、現在主流となっている住宅の寿命は30年、住宅ローンが払い終わる頃には家を建て直している計算になります。
グリーン建築の家は、何世代にも渡って引き継いでいただくことも可能な、長寿命の家です。建築費用は現在主流のものと比べると高額にはなりますが、長い目で見ると安くなります。